この記事のポイント:
- 学生の調査・研究のやり方は進化しており、新しい研究ツールが必要とされている状況です
- リンクトデータは、調査・研究を探求に変容させます
- Ultimate バージョンのデータベースは、リンクトデータを用いた研究に対する最新の期待に応えます
課題:学生の研究方法の変化
今日の学生は、情報がすぐに手に入る世界に生きています。しかし、その情報が常に正確だとは限りません。多くの学生は、オープンウェブの検索エンジンから調査を始めますが、そこでは情報の信頼性やバックグラウンド(文脈)が分かりにくいことも少なくありません。
その結果、図書館員は次の二つの課題に直面することになりました:
- シンプルなキーワード検索に慣れた学生の行動様式を前提に、適切な支援を行わなければならない
- 真の情報リテラシーに不可欠な、評価・統合・批判的思考という、より高度なスキルを身につけさせなければならない
このように変化する研究のやり方、学生ごとにレベルが異なるデジタルリテラシーに対応するためには、大学・短大の図書館側が、柔軟に進化し続けなければなりません。EBSCO Scholarly Graph を利用した Citation Discovery や People Pages など、リンクトデータ由来の機能を搭載した Ultimate バージョンのデータベースは、まさに前述の課題に応えるべく設計されています。これらのデータベースは、学生を信頼性が高く利用しやすい学術情報へ導くと同時に、情報リテラシーの基礎となる重要なスキルの定着を支援します。
情報リテラシーを「探索」へと転換する
研究は先行研究の積み重ねによって成り立っている ―― そのことを実際に「見せる」ことができれば、理解は大きく変わります。リンクトデータを基盤とした Citation Discovery の各機能(Citations、References、Retractions など)を活用することで、図書館員はある論文が次の論文へとどのように繋がっているのか、誰が誰(の論文)を引用し、どのアイデアが最新の研究にどのような影響を与えたのか、そして知識がどのように発展してきたのかを、視覚的に辿れる形で学生に示すことができます。
アメリカ大学・研究図書館協会(ACRL)が策定した "Framework for Information Literacy for Higher Education / 高等教育のための情報リテラシー・フレームワーク" によれば、効果的な研究とは、単に情報ソースを見つけるだけに留まりません。重要なのは、情報がどのように生み出され、共有され、評価されているのか理解することです。このフレームワークの中でも、学生にとって特に重要な考え方が二つ示されています。
一つ目は、「信頼性は構築され、また文脈に依存するものである(Authority is constructed and contextual)」という考え方です。つまり、情報の信頼性は「誰が」情報を作成し、「どのような状況で」利用するかによって左右されるということです。たとえば、査読論文は学術論文の執筆においては高い影響力を持ちますが、講義内で行われる議論では、実際の体験談や Policy Brief の方が意味を持つ場合もあります。
二つ目は、「学術研究とは対話である(Scholarship is a conversation)」という考え方です。有意義な研究とは、研究者同士が互いの研究成果に呼応し、その上に新たな知見を積み重ねていくという、継続的な対話だと言えます。学術研究がどのようにそれぞれ引用・参照されているかを追うことで、学生は、知識は固定され完成されたものではなく、常に更新される、動的なものであると理解し始めます。
この考え方を講義やチュートリアルに組み込むことで、図書館員は、これまで見えにくかった学術研究の構造を可視化し、インタラクティブなものへ変えていきます。 その結果、学生が慣れ親しんだ「すぐに答えを探す検索」と、「より深い学術的探究」との間にある溝を埋めることができるのです。
「学術研究とは対話です。有意義な研究とは、研究者同士が互いの研究成果に呼応し、その上に新たな知見を積み重ねていくという、継続的な対話です」
「学術研究とは対話です。有意義な研究とは、研究者同士が互いの研究成果に呼応し、その上に新たな知見を積み重ねていくという、継続的な対話です」
リンクトデータ時代における学生の期待に応える
現在の学部生は、何か情報を探す時は Google 検索から始めるのが当たり前の環境で育ってきました。彼らは単なるリンクの一覧ではなく、人・場所・アイディア同士の繋がりが分かる、即時的で文脈に添った回答を求めています。Google が 2012 年に Knowledge Graph を導入して以降、検索はキーワードの一致から、情報の実体(エンティティ)や関係性を理解するものへと進化しました。学生は今、現実世界における情報のつながり方を反映した、構造化された要約、関連トピック、AI が生成する概要を見ることに慣れています。
こうした期待に応えるため、図書館には、直感的でかつ Google に近い操作性を持ちながらも、学術的な厳密さを損なわないツールを導入することが求められています。EBSCOhost データベース、ならびに EBSCO Discovery Service (EDS) は、その両立を可能にします。リンクトデータと高度なメタデータの関係性に基づいて設計されており、すべての検索結果が信頼できる学術情報リソースであることを保証しながら、学生が概念・著者・学問分野を意味のあるつながりとして探索できるようにします。 特に Ultimate バージョンのデータベースは、検索に対してインテリジェンスと信頼性の双方を求めるデジタルネイティブ世代の学生を支援する上で、大きな役割を果たします。
最高品質のコレクションを基盤とする Ultimate バージョンのデータベースは、他の研究ソリューションよりも多くの査読誌、専門誌、国際的な出版物、そして各分野を代表する重要なリソースを提供します。これにより、学生(利用者)は表面的な情報や検証されていない情報ではなく、常に信頼できるコンテンツに触れることができるようになります。 更に、People Pages をはじめとするリンクトデータによって強化された EBSCOhost / EDS のプラットフォームは、アイデア、人、場所、トピックがどのように結び付いているのかを可視化します。これにより、学生の好奇心と学術的な確信とを結び付け、日常的な検索を、意味のある学術的探究へと変えていきます。
つながりのあるグローバルコンテンツが視野を広げる
学部生や短大生は、多くの場合、自分にとって馴染みのある視点から学習や研究を始めます。リンクトデータを基盤とする EBSCO Scholarly Graph を活用した Citation Discovery などの機能を通じて、地域・分野・出版物タイプを跨いだ研究成果を結び付けることで、学生の視野を大きく広げます。
たとえば「地域社会における再生可能エネルギー」をテーマに学ぶ学生は、ヨーロッパやアジアでの関連研究からそこから、文化的背景や政策の違いが、グローバルな理解をどう形成しているのかを具体的に理解するのです。
このような体験を通じて、学生は次の力を身につけていきます:
- 学術的な意見の多様性を理解する
- バイアスや文脈を批判的に捉える力を養う
- 信頼性の高い国際的な研究成果と自信をもって向き合えるようになる
学生のエンゲージメントを高め、図書館を学びの中心に
People Pages をはじめとする、EBSCO Discovery Service または Ultimate バージョンのデータベースに標準搭載される機能は、著者の研究分野、出版歴、共同研究のネットワークといった情報を提示することで、学生が学術研究の全体像をより深く理解するのを助けます。これにより、学術コンテンツとのエンゲージメントが深まり、分野を跨いだ情報の検索が促されます。特に、研究スキルの基礎を身につける段階にある学生にとって、その価値は大きいと言えるでしょう。
図書館員の皆様にとっては、こうした機能が次のような効果につながります:
- 学生の図書館に対するエンゲージメントが高まり、継続的な利用が増える
- 図書館資料への投資効果が、より分かりやすく可視化される
- 授業への研究スキルの組み込みにおいて、教員との連携が強化される
デジタルリテラシーの中核である図書館をサポート
Academic Search Ultimate、Business Source Ultimate、CINAHL Ultimate をはじめとする Ultimate バージョンのデータベースは、学生の変化する期待に応えつつ、学術研究が持つ本質的な価値を確実に支えるためのツールを、図書館に提供します。 リンクトデータを検索機能に組み込むことで、図書館員は、学生が自然に行う検索行動と、研究者が情報を批判的に評価する姿勢との間にある溝を埋めることができます。
その結果、すべての学習者が、単なる「検索」から一歩進み、本質的な理解へと到達することが可能になります。 EBSCO は、図書館が学びのプロセスの中心であり続けられるよう支援しています。学生が批判的に考え、自信を持って研究に取り組み、複雑化する現代の情報環境を、好奇心と信頼をもって主体的に歩んでいけるよう導いていきます。