EBSCO Information Services(以下 EBSCO)では、研究者が学術情報をより深く、直感的に検索し、評価できるよう支援する新しい仕組みとして “EBSCO Scholarly Graph(以下 ESG)” を公開しました。 ESG は人物/出版物/テーマなどの学術関連データを繋ぐリンクトデータ基盤(知識グラフ)であり、膨大な学術情報の関係性を整理、また可視化することを目的にしています。数億件にのぼるレコード間の関係性を構造化することで、研究者は隠れた関連性を見つけたり、研究の影響力を追跡したり、学術情報ネットワークをより直感的に辿ることができるようになります。ESG は、学術コンテンツに焦点を当てたナレッジグラフとして EBSCO 社が提供する各プラットフォームにおける新たな情報検索体験を支え、今後の機能強化にもつながる役割を担います。 

ESG は、信頼性の高い情報源からメタデータを集約し、それらに文脈的な関係性や標準化された識別子を付与することで構築されます。 このグラフには、作品、著者、組織、トピックなど 約 9 億にのぼるエンティティ (識別可能な情報項目)と、引用や著者関係といった 38 億件以上の関係性 が含まれており、これらは Builde オントロジーに基づいてモデル化されています。 Builde は、米国議会図書館が策定する BIBFRAME モデルを簡素化したもので、学術作品やそれらの関係性を表現するための柔軟な語彙(ボキャブラリー)を提供します。ESG は、研究者が最新の情報にアクセスできるよう、毎日更新されています。

そして2025年9月、ESG を活用した最初の新機能である Citation Discovery が、 EBSCO Discovery Service (EDS) および EBSCOhost®でご利用頂けるようにになりました。 
Citation Discovery は、論文同士のつながりや、学術コミュニティにおける研究の位置づけ・影響力を可視化する機能です。まず Citations は、ある論文が他の出版物によって「どこで」「どの程度」引用されているかを示し、利用者がその論文の影響の広がりや、学術的な発展の流れをたどることができます。 一方、References は、その論文がどの文献を引用しているかを表示し、利用者がその研究に影響を与えた重要な先行研究を発見したり、関連する領域の文献を効率的に探索したりできるようになります。

私共は EBSCO Scholarly Graph というオープンなフレームワークを基盤にすることで、図書館や研究者が、ますます複雑化する情報環境をよりシンプルかつ透明性の高い形で理解・探索できるよう支援します。

Timothy Lull
SVP of Product Management, Discovery, UX & Platform Services
EBSCO Information Services (米国本社)

EBSCO の Product Management, Discovery, UX & Platform Services 担当 Senior Vice President である Timothy Lull は、ESG が EBSCO による学術研究インフラ強化への広範な取り組みを体現したものだと述べています。
「リンクトデータは、学術情報の共有方法や理解のされ方そのものを変えつつあります。私共は EBSCO Scholarly Graph というオープンなフレームワークを基盤にすることで、図書館や研究者が、ますます複雑化する情報環境をよりシンプルかつ透明性の高い形で理解・探索できるよう支援します」

Citation Discovery は EBSCO Scholarly Graph を活用した、より大規模なリンクトデータ関連機能強化の第一歩です。続いて2025年10月には、検索結果画面上で撤回済みの論文を明確に示す Retraction(撤回)バッジが実装されています。
今後も情報量を拡充した enriched records、より詳細な引用リストなどの新しい機能が順次追加され、検索機能を強化していく予定です。さらには論文と著者、共著者ネットワークを結び付けて表示する People Pages といった新機能の実装(*一部データベース・サービスに標準搭載)も計画されており、学術レコードの透明性や研究内容の背景となる文脈を、これまで以上に明確にするよう取り組んで参ります。